お久しぶりです。チャイナのネットブロックを逃れたざねです。日本人でセブへ観光で行く人は多くても、マニラへ観光で行く人は少ないのではないのでしょうか。治安が良くない、スラムが多いなど、皆さんがあまり良くないイメージを持っているかもしれないマニラに筆者は1週間ほど滞在していました。今回はその様子をレビューいたします。
マニラとは
フィリピンの首都で、首都圏には1200万人以上の人口を擁する超巨大都市。マニラ首都圏は東京都23区と大体同じ大きさで、23区の人口が900万人強なので、いかにマニラが多くの人口を擁しているかが分かります。
マニラではMRT,LRTなど比較的新しい地下鉄のような電車路線、地上を走る列車路線のPNR、一種の乗り合いバスであるジプニー、UVと呼ばれる高速バスなど様々な移動手段が発達しています。
そして中心部ではとにかく何処へ行っても大量の人がおり、多くの車が常にクラクションを鳴らしているため、かなり騒音が激しかったです。また、街中で大量に走っているジプニーがディーゼルエンジンを使っているせいか、とにかく空気が悪いです。
また道端のそこら中にゴミが落ちており、その量はゴミを拾って売るスカベンジャーという仕事が成り立つレベルで多いです。
ネガティブなことを多く書いてしまいましたが、街は子供を含め多くの若い人で溢れかえっており、とにかく活気に満ちていました。また、人々が本当に優しくて人懐っこく、困っていると助けてくれたり、筆者は現地人と間違えられて、よくタガログ語で声をかけられたりしていました。筆者は今のところこの街が一番好きです。
マニラの治安
きちんとした一次資料を掲載できなくて申し訳ないのですが、アメリカやヨーロッパなどの西洋諸国と比べると、強盗や強姦などの犯罪発生率は遥かに低いです。ただ、この国では比較的容易に銃を入手できるせいもあってか、殺人の発生率は他国と比較するとかなり高いようです。ただ、普通に注意して過ごしていれば犯罪被害に遭う確率はそこまで高くはないと言って良さそうです。
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実際、深夜に一人で街中を歩く現地女性を筆者は沢山見かけました。街の人々の多くはとても親切で、貴重品などに注意して華美な服装をしていなければ、危険を感じるようなことはないと思います。
グルメ
マニラでは、とにかく皆フライドチキンと白飯が大好きでした(セブもそうでしたが)。かなり多くの割合で飲食店にはこれらが置いてありました。あの世界的ハンバーガーショップのマクドナルドですら白飯を注文できる徹底ぶり。
街中にはファストフード店が非常に多く、外食では野菜を食べれる機会があまり多くはありませんでした。確かに肉系の料理はジャンキーで非常に美味しかったのですが、あまり健康的では無さそうです。
ちなみに筆者は筆者は野菜を食べたくなったら、韓国料理店でサムギョプサルを食べていました。
観光編:ニノイ・アキノ国際空港
まずフィリピンに来る人が必ず訪れるであろう場所がここ。筆者はセブから出発して、ニノイ・アキノ国際空港の国内線・ターミナル4に到着しました。このマイナーなターミナル4で手荷物受取り場を出ると、そこは屋外でした。
そうです、待機場所が屋外なんです。筆者は屋外にただ屋根があるだけの空港を初めて見ました。そして、ここに到着した午前4時から街中へ行くための公共バスを寒さに震えながら6時間ほど待った結果、筆者は普通に風邪を引きました。
もちろん国際線のあるターミナル1などは結構しっかりとした建物なのですが、ターミナル同士がかなり離れており、深夜はタクシーに高額な料金を支払わなければターミナル間を移動できません。とにかく不便でした。
また筆者はセブへの乗り継ぎで11/30の午前4時頃に初めてこの空港に到着したのですが、ノリノリのバンドが爆音でクリスマスソングを歌いながら迎え入れてくれました。
そして、筆者がマニラを去った12/24も勿論同じようにクリスマスソングを爆音で歌っていました。何ともフィリピンっぽい。そして、微笑みかけるとバンドメンバーの一人が寄付を要求してきました。これもまた、何ともフィリピンっぽい。
ここまでハイテンションで24時間歓迎し続けていると考えると、陽気さを通り越して狂気すら感じられます。まあずっと監視していたわけではないので、実際の所ずっと歌っていたのか定かではありませんが。
ちなみに、フィリピンでは9月くらいからクリスマスムードが始まるそうです。お祭り騒ぎの期間がかなり長いですね。筆者はフィリピンのこういう所が大好きです。
イントラムロス
このエリア一帯は壁で囲まれており、スペイン統治時代の面影を色濃く残す景観保護区域となっています。外のとんでもない喧騒から離れて、唯一落ち着いて観光できたスポットでした。筆者は午前中いっぱいここでの観光を楽しみました。
メトロポリタン教会
教会の長椅子に座ってお祈りしていると、どこからか牧場のたい肥のようなにおいが漂ってきました。筆者はそのにおいが教会の外から漂って来ているのだろうと思い、気にせずその後も普通に街を歩いていました。しかし相変わらずそのにおいは変わらず、この街は何処に行っても臭いと筆者は思っていました。
しかし筆者は気づいてしまったのです。
超群というフィリピンで大人気のチャイニーズ・ファストフードレストランに入って朝食を食べている時でした。何故か筆者の両足のふくらはぎに、ウ〇コがへばりついているのを発見してしまいました。
マニラが臭いのではなくて、筆者のふくらはぎがウ〇コ臭かったのです。
何故こんな事態になっているのか正直意味不明でしたが、(おそらく馬車のウ〇コ)とにかく筆者は目の前の現実を受け入れるしかありませんでした。
筆者はあたかも何事も起きていないかのように優雅に朝食を終え、あくまで自然な雰囲気を装ってトイレへ向かいました。
そして、朝教会でお祈りしたおかげか、この超群のトイレがきちんと整備されているというミラクルが起きたのでした。筆者は早朝からトイレットペーパーと手洗い石鹸を駆使して、クロックスとふくらはぎにへばりついたウ〇コをしっかりと拭き取ったのでした。(筆者は無料トイレットペーパーが備え付けられているトイレを、フィリピンのこの店以外で殆ど見ていません。ミラクル!)
サンアウグスチン教会
ここはマニラで唯一世界遺産に指定されている教会です。地震や第二次世界大戦の爆撃により損傷しましたが、その度に修復され綺麗な状態で現存しています。堂内の大部分が博物館として利用されていますが、世界遺産に指定されているだけあってかなり見ごたえがありました。
フィリピンは過去スペインに300年以上占領されており、その間にカトリックが浸透し、現在でも約8割の人々がカトリックを信仰しています。教会に通っている人の多さや、人々と話している感じでは、この国の人たちは日本人と比べて随分と信心深い人が多い感じがしました。
この教会の博物館には、フィリピンに上陸した宣教師たちに関する展示が数多くありましたが、中には日本に上陸した宣教師たちに関する展示もありました。
博物館内には、筆者が知らないタイプの最後の晩餐の絵画も飾ってありました。
そしてよく見ると、絵画前にリアルなフランスパンを展示するという気合いの入れよう。
お腹を空かせた観光客の為でしょうか。
この教会はスペインがこの国にもたらした影響をダイレクトに感じられる、とても美しい場所でした。個人的にはマニラNo1の観光スポットでした。
フォートサンティアゴ
かつてマニラはこのイントラムロス一帯だけが都市部であり、スペイン系の住民のみ住むことが許されていたようです。
スペインが占領した当時に建設されたこの城塞は、第二次世界大戦時には日本やアメリカの軍事拠点として利用されていました。
捕虜になった日本兵を収容するための施設や武器庫の跡など、第二次世界大戦当時の様子を窺い知れる形跡がたくさん残っていました。多くの日本人は忘れがちですが、過去に日本はフィリピンを占領しています。そのために、マニラは日本の敵国であったアメリカから大量の爆撃を受けてしまっています。
第二次世界大戦の様子を再現しているであろう兵士の銅像。何体か設置してあったのですが、よく見ると何故か全員
裸足でした。流石に当時、靴は履いていたのではないかと思ったのですが、どうなんでしょう。
カサマニラ
ここはスペイン統治時代の、貴族達のここでの生活を再現した施設です。建物や調度品には趣向が凝らされており、人々は豪華絢爛な生活を送っていたようです。まあ、現代日本人の生活水準には敵わないとは思いますが。ここは展示量も多くなく、割とあっさりと見終わりました。
リーサルパーク
イントラムロスを抜けると、大きな公園があります。そこは市民の憩いの場となっているリーサルパークです。
中には何故か日本庭園もあり、無料で見学できました。
中学か高校の生徒と思しき集団が、庭園内でダンスの練習をしていました。青春を感じさせる、とても微笑ましい光景ですね。
滞在中、この国にはとにかくダンスや音楽が好きな人がとても多いと筆者は感じました。例えばこの国では、多くの家庭が自前のカラオケシステムを持っています。そのため街中を歩いていると、家から外に向かって歌っている誰かの歌声を爆音で聞くことがよくあります(騒音の一因)。フィリピンのそういう所も筆者は大好きです。
マニラ・オーシャンパーク
リーサルパークから徒歩圏内にアジアNo.1の規模を誇る水族館マニラ・オーシャンパークがあるようでした。しかし筆者は高額なお金を払って一人でアシカショーを楽しめるほど孤独好きでは無かったため、今回はスルーしました。エイと触れ合えたり、人魚体験ができたりと、様々なアクティビティが充実しているようで、家族で来ればかなり楽しめそうです。とりあえず早く結婚したい。
マニラベイ
皆さんは世界三大サンセットをご存じでしょうか。インドネシアのバリ島、日本の釧路、そしてここマニラのサンセットがそのように呼ばれているそうです。
ホテルのチェックイン時間的にこれが写真を撮れる限界時間でした。17時31分日の入りで、17時頃の写真になります。この街で市民が海沿いからサンセットを観れるのがこの場所ベイウォークで、確かに夕陽はキレイでした。しかし、正直この場所自体は全くキレイではありませんでした。
筆者が塀の上に腰を下ろして、のんびりしていると滅茶苦茶ハエがたかってきました。快適にサンセットを見るには、ハエから逃げ続けるしかなさそうでした。
この街の綺麗な場所で夕日を見るには、高額な料金を支払って海沿いのホテルに泊まるか、高層コンドミニアムに宿泊するしかないように思われました。
日本にいると綺麗な状態がデフォルト化しているため、人が多い都市空間でその清潔感を維持するためコストが掛かっていることが全く意識されません。しかし、こうして日本と異なる環境へ来てみると、日本の都市部がどれだけ多額の費用を掛けて街や設備を整備しているのか身をもって実感されます。
街中の至る所にある多くのゴミ。ちなみにこの国には運転している焼却施設が無く、基本的にゴミは全て埋め立てられています。
トゥトゥバン/バクララン・マーケット
これらの地区には、 ローカルな人々が買い物をする夜市やモール、露天商店が集中しています。筆者はトゥトゥバンの夜市でナイキの靴を約600円で購入しました。通常は値切って購入するのですが、安過ぎて筆者は値切り忘れしまいました。
宿泊
宿泊したホテルでちょっとしたトラブルが起きました。筆者が
Booking.comというアプリで予約したホテルへ向かったところ、そこはコンドミニアム(キッチンなど生活用設備の整った、高層アパート)の一室でした。そして、最初対応してくれたオーナーらしき人は
Booking.comのことを全く知らないと言っていました。
そのオーナーらしき人と話していると、どうやら以前に雇っていた従業員がコンドミニアムの彼らの一室を勝手に
Booking.comへ登録しているという意味不明な状況になっているようでした。
結局筆者は
Booking.comに登録しているオーナーに会うことはなく、本当のオーナーである彼らの部屋に泊まることとなりました。
実際のオーナーは予約価格よりも安く泊めてくれましたが、Booking.comへの支払いも同時に発生している(キャンセル料)状態になっていたため、筆者はBooking.comとやり取りしなければならなくなりました。(結局支払いキャンセルされたので良かったのですが)
ちなみに筆者はマニラに来てからこの時点で3部屋利用していたのですが、ネットに掲載している条件をまともに満たす宿は一つもありませんでした。
到着日朝:Wifiがまともに利用できない。中々ログイン出来ないうえ、すぐにログアウトする。施設内では携帯の電波も立たず。
到着日夜:記載条件と異なり、そもそもWiFiがない。トイレの便座もない。
この宿:そもそもオーナーが違う。ちなみにここも部屋にWiFiが無い。普通の通信電波すら立たない。
ちなみに、フィリピンの一般家庭では写真のようにバケツに水を貯め、それを浴びるのがまだまだ主流のようです。筆者が宿泊した安宿は一か所を除き(そこは水シャワー)全てこのタイプでした。
またこの街はとにかく電波状況が悪く、マニラの安宿では携帯の電波が殆ど立ちませんでした。
電波状況を考えると、1泊500円以下の良い安宿はこの街には無い感じがしました。(知っている方いれば、教えて欲しいです!)まあ1泊1000円強も払えば超快適な高級コンドミニアムに泊まれるんですけどね。
まとめ
筆者的には、一般的な旅行者には正直言ってマニラ観光はあまりおすすめできません。観光地らしい場所も今回紹介した場所くらいで、街中は明らかに空気が悪く、どこもかなり混雑しており、騒音がひどく、ゴミが多い街です。
しかし、色々な生活背景を持った人と交流したい、日本と異なる雰囲気の空間を堪能したいという方にはぜひ一度来て欲しい場所かと思います。ここには乞食からお金持ちまであらゆるタイプの人がおり、国内のあらゆる場所から多様な文化的背景を持った人々が来ています。
またこの場所では治安が悪いイメージとは裏腹に、人々もフレンドリーでかなり親切に接してくれます。観光客が多くないせいか、セブに比べて客引きやぼったくりもかなり少ないように感じました。
同じ国内でも、セブとは全く雰囲気が異なるマニラ。人々は忙しなく、きちんとお釣りを返してくれて(セブでは返してくれないことが多い)、電車やモノレールが発達しています。よくも悪くも都市的で、多様性に富んだこの街へ良ければ是非来てください。次回記事では、筆者が訪問したマニラのスラム3地区について特集します。お楽しみに。
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