ざね旅

世界一周の様子をつづります。

【似て非なる国】中国と日本の違いとは

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大家好。とんでもなく風邪をこじらせたざねです。今回はマニラを発って上海へ2泊3日ほど滞在しました。しかし筆者はマニラ滞在から風邪をこじらせており、正直上海では殆ど何もしていません。そこで今回は中国都市部で日本と異なると筆者が感じたことをつらつらと書かせて頂きます。

 

交通機関

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中国では尋常でなく交通機関が発達しています。この点に関しては、既に日本を十分に上回っていると感じました。また物価的な問題から、公共の交通機関は日本と比べればとてつもなく安いです。
 

地下鉄

世界の地下鉄において、路線延長距離は上海北京が現在1.2位に格付けされています。また実際に上海・成都・西安で地下鉄に乗ってみると、どこでも車両が新しくとても綺麗でした。ちなみに一日利用客数は東京が世界1位だそうです。
 
 

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浦東空港から市街地へ向かう地下鉄車両内。
また、毎回乗車の度に改札前で港での身体検査のようなセキュリティチェックが行われました。どこに行っても、セキュリティが厳しい。
 
地下鉄の料金は安く、上海では初乗り料金が3元(約52円)でした。
 
地下鉄のマナー
筆者が地下鉄に乗る人たちを見て感じたこととして、全員尋常でない勢いで席に座ろうとするということでした。日本では、乗車する人は車両の中の人が降車するまで待ちますが、中国ではまだ人が降りている最中でも普通に車両へ乗り込みます
しかし、高齢者に席を譲る人を結構な頻度で見かけたため、必ずしも皆が自分の事ばかり考えているという訳では無さそうです。
 

高鉄

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上海駅待合室の様子
高速鉄道の略で、大体時速200kmくらいで走ります。中国内の全ての省都がこの高鉄で結ばれており、これも料金が安く大変便利でした。高鉄の座席には軟座、硬座(または一等、二等)無座というクラス分けがあり、西安=成都間:4時間の硬座での移動が263元(4000円程度)でした。大体、新幹線で東京=広島間を移動するくらいの距離感です(ちなみにこの区間、新幹線だと2万円弱)。座席クラスは以下のように分けられています。
 
軟座:グリーン席のようなものですが、移動区間が短ければ他クラスのチケットと同料金のことがあるので、予約の際まずはこれを検討してみましょう。
 

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非常に快適な軟座。都江堰=犀浦間にて。
硬座:通常の指定席です。
無座:新幹線の自由席のようなシステムで、座席が空いていれば座ることが出来ます。
 

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無座車両の様子。よく見ると、奥では普通に喫煙しています。
 中国では喫煙者が多く、成人男性の約2分の1が喫煙しています(日本では3割程度)。列車内で普通に喫煙する光景は、日本では見られないでしょう。

寝台列車

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上海⇒西安をこれで移動しました。移動時間は15時間強、料金は310.5元(硬臥:通常寝台席。約5000円)で、揺れも殆どなく非常に快適でした。
 

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また車両内にはお湯が出る機械が備え付けてあり、これでカップ麺を作って食べている人が多くいました。
 

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 ちなみに、中国では駅構内、ホテル、動物園、高鉄や寝台列車の車両など、とにかくあらゆる場所にこのお湯が出るマシーンがあります。そのため、中国へ行く際はお湯を入れる為のマイボトルを用意すると、非常に重宝するでしょう。
 
また、車内ではおじさんが弁当を売りに来ます。普通の弁当を売りに来た後、より安い麺のお弁当を売りに来ました。そして更に遅い時間になると、おじさんが半額以下で普通の弁当の売れ残りを売りに来ました。とにかく何度でも売りに来ます。弁当自体はとても美味しかったです。
 

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正規料金で買うと、ちょっと高額だった弁当。
その他には、おばちゃんが、お菓子やのど飴、おもちゃなどを売りに来ました。おもちゃを買う人って居るんでしょうかね。
 

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この狭い通路で台車を押しながら売りに来る
 
 バス

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西安路線バスの様子

大体どの街でも区間内均一料金で、上海で2元(約30円)、少し田舎の峨眉で1元(約15円)でした。とにかく安い!ちなみに都市部のバスはどれも車両が新しくとても綺麗でしたが、峨眉では古そうな車両を使用していました。

 

シェアサイクル

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成都で見かけた大量のシェアサイクル

中国ではシェアサイクルも発達していました。比較的多くの場所でシェアサイクル用の自転車を見つけることが出来て、30分あたり1元(約16円)という超お手頃価格で利用できます。これも、スマホのアプリで乗車から決済(QR決済)まで全て行います。


筆者はスマホによる支払い方法が分からなかったため利用できませんでしたが、WeChatやAlipayが普通に使用できる中国国民にとっては非常に便利なサービスのように思われました。また、街に清掃員や警察官が大量にいる為か、通行の邪魔になるような場所に駐輪してある自転車を筆者は見かけませんでした

 

電動スクーター

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上海では走っているバイクは殆ど電動スクーターでした。内陸都市の成都や西安でも主流は電動スクーターです。非常に静かでクリーンな感じなのですが、静かすぎて後ろから来られても気づけないのはちょっとした欠点かと思いました。これも、日本でも早く導入した方が良いと感じました。

 

滴滴(DiDi)出行

Uberのような配車アプリの滴滴が都市部では多く使われています。アプリで目的地を検索してドライバーを予約すれば、近辺の滴滴ドライバーがやって来てくれます。滴滴ドライバーが使用している車両もキレイで快適でした。

  

物価

この国の都市部には結構ウォルマート(中国語で沃尔玛)が進出しており、日用品が取り揃えてあります。筆者がここでステテコ、靴下、ウォーターボトルを購入したところ、全部で1500円以上しました。筆者は東南アジアから来たため、かなり高額に感じました
 

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ウォルマートにはQR決済用の無人カウンターがある。
この国の都市部では、外食や公共の交通機関は日本と比べてかなり安い(物にも依りますが、半額くらいの感じ)のですが、日用品の値段はあまり日本と変わらない感じがしました。
 

発展している都市部のサービス

電子決済 

噂に違わず、ほとんどの場所でWechat(微信)かAlipay(支付宝)による電子決済が行われており、特にWeChatが主流な感じを受けました。今や中国では人々の生活に必要不可欠なものになっており、例えば筆者が上海で食事をした個人経営の小さいお店ではQR決済しか受付けていませんでした(観光客が行くようなところは、殆ど現金が使用出来ます)。たまにデポジットなどの関係で現金しか使えないという場所もあったので、今のところどちらも利用するのがベストでしょう。
 

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QRコードを読み込んで支払うバスチケット。現金支払いの人のみカウンター受付でした。
ただ、OR決済に関してはかなり功罪があるように思われました。WeChatやAlipayは中国で銀行口座を開設しない限り使用できる機能がかなり限定的です。従って、現在の中国のキャッシュレス状況は外国人観光客的にはかなり不便です。また、何故か分かりませんが中国では筆者が所持しているVISA,Master Card、更には銀聯カードに至るまで全て使用できませんでした(ATMにてキャッシングは可能でした)。
 
もちろんスマホを日常的に利用している中国国民にとってはかなり利便性が高い状況になっているとは思いますが、それ以外の人間にとっては逆に不便な状況かと思います。
 

外卖(ワイマイ)

外卖(ワイマイ)と呼ばれるデリバリーサービスが発展しており、近くの飲食店やスーパーなどの物をネットで買えば運んできてくれるそうです。街中では、外卖デリバリーをしている人々を沢山見かけました。
 
 
また、都市部ではネットで注文した宅配物を一時的に預かるセンターが在ります。配送効率向上のためにも、日本でも導入すべきサービスだと思います。
 

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この宅配センター内の荷物棚で、自分の荷物を探します。番号順に整理されて並んでいるため、簡単に見つけられます。
 

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ここでも無人カウンターでQRコードを読み取って、受取り作業を行います。この国では、殆どのやり取りがQRコードで行われます。
 

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日本と異なる街並み

大量の清掃員とゴミ箱
中国の都市部ではあらゆる所にゴミ箱が設置されており便利でした。
 

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西安にあったゴミ箱

そして街中で清掃員も非常によく見かけました。正直中国人の中には、中高年以上を中心に日本的にはマナーの良くない人が明らかに多いです。具体的には、建物内など何処でも構わずタンを吐く、何処でもタバコをポイ捨てする、道のど真ん中で子供におしっこをさせるなど、日本では中々見られない光景を日常的に見ることができます。しかし、多くの清掃員が常に街を掃除しているため、街の中心部は想像以上に清潔に保たれていました。

 

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成都で見かけた清掃員

日本的にはマナーが良くない振る舞いのおかげで、清掃員の雇用が大量に生まれていると考えると、これも一種の価値観やシステムの違いに過ぎないのかもしれないと感じました。
 

普通に列に割り込む

チケット販売の列など、人が並んでいてもカウンタースタッフが手すきのようであれば普通に割り込む人が居ます。本人たちに特に悪気は無さそうですし、多分こういった行為が日常化しているため、電車などでも皆必死で席を確保しようとするのでしょう。
 

標識が面白い

中国でユニークな標識をいくつか見かけました。

 

①多くのトイレで見かけた呼びかけ

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「向前小一歩、文明一大歩」という標識をたくさん見ました。読んで字のごとく、前への小さな一歩が、文明への大きな一歩という意味。中国語で「文明」というのは洗練されていて礼儀正しいという意味合いが強い感じがしますが、日本ではまず使わないフレーズでしょう。
 

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②地下鉄車両内での禁止事項
地下鉄車両内での禁止事項に掲げられているラインナップが、日本と全く異なります。下の写真で左から喫煙・大道芸(パフォーマンス)物乞い・横たわる・飲食・淡を吐く大小便・ゴミ捨てが禁止されています。
 
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特に赤丸で囲んだ「禁止便溺」(大・小便の禁止)は中々パンチが効いています。中国では、地下鉄車内で大便をする人もいるのかと疑ってしまいました。(過去には普通に居そうですが)大道芸の禁止も中々レアな感じがします。
 

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③西安の城壁で見つけた禁止事項

「敬畏遺跡、文明守徳」遺跡に敬意を払って、礼儀正しく道徳規範を遵守しましょうとのこと。書かれていることは至極真っ当なのですが、そのレベルが糞便の禁止なので、少し前の人たちは、よほど遺跡に敬意を払っていなかったのでしょう。

 

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大量の警察官 

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西安にて

都市部ではあらゆる場所に、本当に多くの警察官が立っていました。また、街中にはかなり多くの場所に監視カメラが設置してあるようです。プライバシー侵害の問題もあるかとは思いますが、これで治安が改善されているのであれば良いのではないかと筆者は思いました(実際に中国の犯罪発生率は、欧米に比べてだいぶ低い)。しかし何とも中国らしい感じがします。

 

社会主義核心価値観

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社会主義核心価値観とは共産党が掲げるスローガンで、個人単位の努力目標、各コミュニティ単位での努力目標、そして国家としての目標が掲げられています。このスローガンを街中のあらゆる場所で見かけました。
 

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社会主義核心価値観の碑の前で記念撮影する筆者。

西安の寺院で見かけた社会主義核心価値観の看板では、これらの標語一つ一つについて仏教的な解釈がなされていました。非常に興味深い。

 

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日本では、政治的プロパガンダを街中でこれほど大量に見かけることは先ずないでしょう。
 
社会主義核心価値観の街中での溢れようを、もっと見たい方は以下のリンクにて。

 

https://dailyportalz.jp/kiji/170825200511

インターネット規制

中国ではインターネットの情報がかなり規制されています。グーグルのサービスが全て利用できず、LINEやインスタグラム、ツイッター、フェイスブックなど多くのSNSも使用不可、そして政治的な理由から多くの情報にアクセス出来ません(多くの卑猥なwebサイトに接続できないことも確認済みです笑)。普段通りの環境でインターネットを利用したい人はVPNを使用しましょう。

 

ちなみに筆者が利用した無料VPNアプリでは、多くのSNS利用やネット閲覧はできたのですが、グーグルのサービスは一部利用できません(検索、グーグルフォトバックアップ)でした。

 

play.google.com

 

情報規制に関しては、観光客にとっては不便極まりないの一言に尽きるのですが、中国にとって、実は良い側面もあるのではないかと思いました。

 

例えば中国では今なお独自のIT企業が成長しています。筆者は中国ではグーグルの代わりに、検索や地図、翻訳などで中国の大手IT企業百度(Baidu)のサービスを利用していたのですが、正直グーグルのほうが便利で良いサービスを提供していると感じました。

しかし中国ではグーグルのサービスを規制しているため、まだ技術的に多少未熟な自国企業をグーグルと競わせずに国内で育てることが出来ます

もし今、中国が全ての情報規制を撤廃したならば、多くの中国IT企業はグーグルやアマゾンなどアメリカに本部を置くスーパーIT企業達との熾烈な競争に晒され、サービスシェア率は激減すると思います。自国産業を育てる上で、情報統制も決して悪くはない側面があると思いました。

 

よく見ると何かが違う

バケツを持っている人

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何故かどこに行ってもバケツを持っている人を見かけました。大体おじさんやおばさんが荷物を入れている感じがしました。
 

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中国人の友人にこのことについて尋ねても、荷物を運んでいるんじゃない?くらいの反応で、何故バケツを使用しているのかは最後まで謎のままでした。
 

漢方薬が普通に処方される

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市販漢方薬。カプセルタイプでした。

日本では通常、西洋医学の薬が処方されますが、中国では西洋医学の薬と漢方薬の両方ともよく飲まれています。漢方薬のほうが保険負担される金額の割合が高いそうなので、お得感があります。

筆者はこれを飲んで風邪を治しました。普通に効いた気はします。

 

 お箸のおき方

面白いことに中国ではお箸の置き方が日本と異なります。中国では、食事中や食膳にお椀の上に箸を置くとき、お箸を縦向きに置きます。こっちの方が箸を取りやすいそうです。

 

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また、食事を終えたらお箸をお椀の上に置かずに、テーブルの上に置くのがマナーだそうです。

 

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似ているようで異なる文化というのは、何だかパラレルワールドに来ているかのように感じられ、非常に面白味が感じられます。

 

お米を食べない

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箸の置き方で、誰が日本人か分かってしまう。

主に中国南部では日常的にご飯(お米)が食べられているのですが、北部ではパンのようなものが中心で、ご飯はあまり食べられていません。中国人は皆日常的にご飯を食べていると、勘違いしている人も多いのでは無いでしょうか。

 

まとめ

今回は中国の発展していると感じた点、日本と異なると感じた点などを紹介しました。似ているようで異なるというのはとても面白いもので、実際に足を運んでみる事で気づけたことも多かったです。こういった発見も旅行の一つの醍醐味かと思うので、皆さんもぜひ一度行ってみてはいかがでしょうか。
 
 

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